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「長崎は銀河系で一番おもしろい街」というキャッチコピーを掲げて、YouTubeやInstagramで発信をしたり、インバウンド客のガイド業務をしている品川正之介と言います。今回は、わたし自身の生活圏でもあり、実際に普段ゲストを案内している商店街の魅力をお伝えします。
出演者 & ライター
Featuring & Writer
Guest
品川 正之介
品川 正之介(しながわ しょうのすけ)
1991年生まれ、神奈川県横浜市出身。
大学卒業後、プラントエンジニアリングの会社で約2年、
IT系スタートアップで約3年働いた後、2020年2月に東京から長崎市へ移住。現在は、斜面地に暮らしながら、SNS発信やガイド業務を通して、
長崎の魅力を伝えている。
2020年に東京から長崎市に移住してきた品川正之介です。現在は、SNSでの発信や、インバウンド客へのガイド業を通して、長崎の魅力を世界中に伝えています。

ガイド業をはじめたのは、1年半ほど前。主なゲストは、クルーズ船で長崎を訪れるインバウンド客です。年間およそ70組を案内しており、マンツーマンの案内になる時もあれば、19名という大所帯を一度に案内したことも。それぞれの好みや属性に応じて、どこを案内するかは変わりますが、大抵、午前中に平和公園周辺を、午後は諏訪神社や新大工町(しんだいくまち)商店街、浜町、中華街、時間があればグラバー園までを案内しています。
クルーズ船のゲストは、もうすでに何度も日本に来たことがあったり、事前に神戸や横浜などに立ち寄っていたりするので、長崎ではリアルな土地の魅力を知りたいという方が多い印象です。坂の町・長崎らしく、斜面地で暮らすわたしの自宅へ案内することもあります。
斜面地で暮らす日々が、大切な長崎時間
わたしが住むのは、諏訪神社の近くにある地区です。長崎市の総氏神が祀られる「諏訪神社」と、隣接する長崎県最古の公園「長崎公園」は、合わせて「諏訪の杜」と呼ばれています。この「諏訪の杜」のおかげで、市内中心部でありながら緑豊かなエリアなので、東京では聞きなじみのなかった鳥の声が聞こえることもあります。


そんな癒やしのエリアで、築60年以上の民家を改装し暮らしています。飾りっ気のないシンプルな部屋ですが、お気に入りの小物や思い出の品が段々と増えてきました。例えば、玄関には、長崎を代表する版画家・田川 憲さんの版画を、お孫さんの田川 俊さんが後摺りした作品や、長崎市のエンターテイメントチーム・CHEBLOさん作成の桃カステラ(=長崎の縁起菓子)のミニラグなどを飾っています。
作業スペースの横には、ゲストからいただいたポストカードなどを。これまで、ルイジアナやセントバーバラ、ハワイ、ニューメキシコなどさまざまな地域から訪れたゲストに長崎の魅力をお伝えしてきました。お礼にこうして現地のステキな手仕事や風景、文化などを知れると、ガイド冥利に尽きます。

地元の商店街に支えられるみそ汁ライフ
さて、わたしの日課についてもご紹介しましょう。毎日みそ汁を作っています。このみそ汁ライフを送るために必要なのが、地元商店街で手に入るアレコレです。
まず豆腐は、諏訪神社から歩いて数分の新大工町商店街の「安達豆腐店」の木綿豆腐。薄揚げも一緒に購入して、大きめの短冊切りにして煮込みます。
出汁は、眼鏡橋からすぐの中通り商店街の「荒木鰹節店」の出汁パックを使用。カツオ節はもちろん、昆布、サバ節、イワシ節など7種が入った合わせ出汁なので、これだけで味が決まります。
そのほか、地元のキノコと、そのとき旬の野菜(この日はトマト)を加え、みそで味付けたら完成です。わたしの毎日を支える欠かせない味です。
長崎市民の台所、商店街へ下る
腹ごしらえを終えたら、早速、我が家からゲストに人気の長崎市の商店街へ下りていきましょう。道中には、ここでしか見られない光景もあり、歩きながら案内をすることもあります。例えば、ゴミ収集用の“そり”。階段が多く、車が入れない長崎の街では、このそりを使ってゴミを運ぶんです。市民にとっては見慣れたものですが、ゲストには物珍しく映るようです。


道の真ん中に諏訪神社の御神木が立ち並ぶ六角道(ろっかくどう)も、驚くゲストが多いです。諏訪の杜を通り、諏訪神社の正門へ。ここも喜ばれるスポットです。では、実際に普段から買い物で利用しているお店を回ってみましょう。
つきたてのお餅は一度食べるとヤミツキに!
新大工町商店街に入ってすぐのところにあるのが、1969(昭和44)年創業の「平井餅まんじゅう」。お餅が好きなゲストは多く、季節の果物を使用したフルーツ大福が人気です。最近では、海外でもお餅が手に入るそうですが、つき立てを食べる機会はやはりないようで、よく「こんなにやわらかいものは、はじめて食べた」と喜ばれます。伸びがよく、やわらかなお餅は、日本人でも一度食べるとヤミツキになります。わたしも、斜面地の自宅まで帰る時のおやつ兼エネルギー補給として購入する定番の味です。豆大福や黒あんなどクラシックなものから、生チョコカスタード、抹茶カスタード、クリームチーズなど洋風の味まで揃うので、どんな方にもオススメです。大福以外では、甘酒や、小豆入りのプリンがわたしのお気に入り。地元の方でも、まだの方はぜひ。日本人の観光客の方も、新大工まで足を伸ばした際は、ぜひ立ち寄ってみてください。

人情あふれる、商店街ならではの豆腐屋さん
続いてお邪魔したのが、新大工町商店街の中の天満市場の入り口にある「安達豆腐店」。新大工町店では販売だけを行っており、工場は矢の平という車で5分ほどの場所にあります。生産を始めたのは1966(昭和41)年。60年近く続く老舗です。いつも店頭で元気に迎えてくれる古賀さんは、先代の安達一利さんの娘さんです。

一利さん(2代目のお名前)のお気に入りも、わたしが毎日みそ汁に使う緑の木綿豆腐だったそう。図らずも、その共通点がうれしいです。ここの豆腐の特徴は、なめらかでのどごしが良いこと。加熱前の生の段階でしぼり、おからと豆乳を分離させることで実現できるのだそうです。「そいけん、うちんとは木綿豆腐でもやわらかかもんね」と古賀さんが話してくれました。
その他、ざるどうふ、寄せどうふ、厚揚げなども人気で、何よりリーズナブルな価格がありがたいです。ゲストを連れて訪れた時は、お皿と醤油をお借りして、店の前で購入した豆腐の実食をさせていただくことも。人情や親切が息づいているのも商店街の魅力です。
顔が見えるから楽しい。商店街の買い物
その先の精肉店へやってきました。牛・豚・鶏の精肉から総菜まで幅広く揃う「林田精肉店」です。お肉を食べたくなったときは、よくこちらのお店に立ち寄っています。長崎に来てから自炊をする機会が増えたのですが、その日の料理に合うお肉を相談できるので、とても助かっています。今回は、帰宅後に食べようと、からあげをテイクアウトで購入しました。味がよく染みていて柔らかく、とてもおいしいんです。計り売りなので、好きな量を買えるのもいいですね。商店街の食べ歩きは、観光客の方にもオススメです。


ご覧の通り、わたしの買い物の多くは、地元のお店を利用することが多いのですが、理由の一つは、顔が見える場所で購入すると、買い物自体が楽しいこと。顔なじみの店員さんと一言二言近況を話したり、時に、わたしのYouTubeの感想をいただけることもあります。ただ物を買うだけではない時間が、とても貴重なんです。理由の二つ目は、長崎市の外にお金を落とすより、地元で使いたい思いが強いから。そして、三つ目に、何より純粋に商品のクオリティーが高いこと。お出汁もお豆腐も、大福もからあげも、ほんとうにおいしくて、その味こそが、自信を持ってオススメできる理由です。
猫好き必見!「長崎尾曲がり猫神社」へ
新大工町商店街を離れ、中通り商店街へ。
長崎の有名観光地・眼鏡橋そばとあって、観光客も多いエリアです。店頭におみくじがずらっと並んだ、一風変わった神社へ立ち寄りました。ゲストを連れていくことも多い「長崎尾曲がり猫神社」です。
尾曲がり猫とは、読んで字の如く、尻尾が曲がった猫のこと。「カギしっぽ」とも言われます。長崎県は全国的にも尾曲がり猫の割合が多く、約80%の猫の尻尾が曲がっているのだそう。その由来は鎖国時の貿易船のネズミ対策として、経由地のインドネシアに多い尾曲がり猫を乗せたことから。
長崎尾曲がり猫神社では、猫の健康長寿を祈願し、お賽銭は全国の保護猫のために全額寄付しています。わたしもときどき猫さまの安寧を願い、お賽銭を入れています。保護猫活動に寄与できることがうれしいと、ゲストから感謝されることもあります。ちなみに「カギしっぽ」の猫は、そのしっぽで幸運を引き寄せると言われています。ゲストを案内中も、日常でも、いたるところで見かける尾曲がり猫。見かけたら、幸運が訪れるかもしれません。

割烹や料亭御用達!荒木鰹節店へ

次は「荒木鰹節店」にやってきました。わたしの愛してやまない、出汁パックを販売している鰹節店です。ところせましと並ぶ、さまざまな出汁や乾物類。割烹や料亭にも卸しているとあって、その品質はお墨付き。
「うちの出汁パックの出とるらしかって聞いて、YouTube見たよー」と店主の荒木 仁さんに声をかけていただきました。「あれはみそ汁って言うより、具の多か鍋ごた(=鍋みたい)」とのツッコミも(笑)。「品川くんのYouTubeはほんのりしとるもんね。靴履くシーンが好きよ」と言っていただき、こうやって見ていただけることがありがたいです。
荒木さんは、毎朝3時にはお店に来て、カツオ節を削るのだそう。「品川くん、削ってみるね」と、特別に体験させていただくことになりました。大きな機械に本枯節をセットすると、みるみるうちにカツオ節ができました。店中においしそうな香りが広がります。「持って帰らんね」とパッキングしていただきました。帰って、安達豆腐店の豆腐と一緒に、冷奴にしたのですが、香りが高くて絶品でした!
最強の長崎案内!締めくくりは手ぬぐい屋さんへ
最後に出島からほど近い江戸町商店街まで足を伸ばしました。こちらには、手ぬぐい屋さん「たてまつる」があります。わたしが普段からハンカチ代わりに愛用しているのも、こちらの手ぬぐい。長崎では毎年、諏訪神社の秋の例大祭「長崎くんち」で各踊り町(=奉納踊を披露する当番の町)が観客へ縁起物として手ぬぐいをまく文化があり、そのおかげか、他県よりも手ぬぐい文化が盛んです。「たてまつる」さんのような手ぬぐい専門店があるのも長崎らしい風景です。 手ぬぐいには、長崎市の花・アジサイや教会、卓袱料理(=長崎独自の宴会料理)など、どれも長崎らしい図柄が描かれています。「はじめに手描きして、それをコンピューターに取り込みます。染める工程を考えて、線を太くしなければならないなどの制約もありますが、そのおかげで独特の味や風合いが生まれていると思います」と店主の高浪さん。先日娘さんの初作が発売されたとのこと。貿易船に乗った猫を描いたストーリー仕立ての一枚で、思わず手に取り購入しました。夏は特に、汗ふきなどで毎日ガシガシ洗うので、手ぬぐいは何枚あってもいいですから。
さて、ここまで駆け抜けるように長崎の商店街(新大工町、中通り、江戸町)を回ってきました。移住してからというもの、地元の方に「長崎は何もなかとに、なんでわざわざ引っ越してきたとね」という言葉をかけられることがありますが、謙遜の気持ちはあるとはわかりつつ、その度に悔しくて、「長崎は銀河系で一番おもしろい街だ」と言い続けています。今回紹介したコースが、わたしが考えた最強の長崎案内。もちろん、ほかにもオススメは尽きないのですが、発信やガイド業を通して、一人でも多くの長崎のファンを、世界中に増やしていけたらうれしいです。いつか精霊流し(=長崎のお盆の伝統行事)で送ってもらうのが夢の(それぐらい長崎を愛している)品川正之介でした。ぜひ今回紹介したお店をめぐってみてください。

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