Now loading...

メニュー
長崎のふつうは世間のふしぎ展
CHECK!

長崎を遊びつくすためのウェブマガジン

何にもない田舎だからこそ、見つかる大切なモノ~nomozaki_gram 山崎 楓太さん~
2023.12.27

何にもない田舎だからこそ、見つかる大切なモノ~nomozaki_gram 山崎 楓太さん~

福岡から移住してきて早4年。「旅先での出会いで、景色を変える」をコンセプトに、暮らしや仕事を通して出会った魅力的な長崎人を紹介していきます。
今回は、「自分の好き」を仕事にし、野母崎エリアのファンを増やし続けている「nomozaki_gram」の山崎楓太くんをご紹介。いろんな挑戦をしながら、たくさんの壁にぶつかりながら、常に自分と向き合う中で楓太くんが身に着けたのは「見つける力」。その力で関わる人々に笑顔と勇気を与えてくれる楓太くんの仕事は、自身の原体験がヒントになっていることを知りました。何かと不安や晴れない気持ちになることが多い現代において、楓太くんに会いに行って、「自身の幸せ」を見つけられるようになる人が1人でも増えるといいな。

出演者 & ライター

Featuring & Writer

ひとこと

暮らしのそばの、長崎人

Editor

坂井桂馬

DMO NAGASAKI

パブリックリレーター・ビジネスプロデューサー

福岡から移住してきて4年目。「ほんのちょっとだけ人生が変わる出会いを、長崎で。」をコンセプトに、暮らしや仕事を通して出会い、人生が豊かになるキッカケを与えてくれた、魅力的な長崎人を紹介していきます。

幸せの形は人それぞれ

「nomozaki_gram」というinstagramアカウントをご存じだろうか?「初耳だ」という方は、この機会に覗いてみてほしい。この中には、長崎市南部に位置する「野母崎(のもざき)」で生きる人達のリアルな日常や、飾らない田舎暮らし、そしてそんな「野母崎人」の魅力に惹かれて共に時間を過ごす人達の非日常を垣間見ることができる。寂しく悲しいニュースや誰かが誰かを傷つける社会に疲れている人には、特に勧めたい。きっと何か生きていくヒントや、希望の光が見えてくると思う。私は、1人でも多くの方がこのアカウントを覗き、この場所に行ってみたい、彼に会ってみたいと思ってもらえるように、山崎 楓太くんを全力で紹介したいと思う。

会うたびに、話を聞くたびに、惹き付けられる「何か」を持っている楓太くん。夏になると筋骨隆々な逞しい体に仕上げて、長崎市の伝統文化「ペーロン」に人生を懸けていく。今年コロナが明けて4年ぶりのペーロン大会が行われたときに出会ったときは、何かに取り憑かれたかのような鬼気迫る覇気を身に纏い、チームを優勝に導く立役者の1人となっていた。

なぜ、あんな覇気を身に纏うことができるのだろうか。話を聞いていると、楓太くんの幼いころにヒントがあるかもしれないと私は思った。

やると決めたら、悔いなくとことんやり抜く

小学生の時に出会ったソフトボールがキッカケで、プロ野球選手を目指し続けた約15年間。「やる」と決めたら脇目も振らず、愚直に、ただひたすらまっ直ぐに、その夢を叶えるための最善の道を選択し続けてきたという楓太くん。「中学、高校、大学と、どこに行っても1番下手だった」ということを自覚し、そこで逃げることなく、弱さを克服するために1日24時間という限られた時間の中で、常に野球を通して自分と向き合ってきた。その結果、高校時代は1年生レギュラーで甲子園の土を踏み、大学時代も全国大会に出場するなど、学生時代に野球部に所属していた方なら誰もが憧れる夢舞台に立ち続けることができたそう。 しかし、時に野球の神様は残酷で、大学2年生のときに大怪我を負ってしまい、長い入院期間で考えに考え抜いた結果、「プロは諦める」という難しい答えを出したという。

大学4年間の野球生活を全うした後は、プロのアーティストのLIVEに感銘を受けたことをキッカケに歌手の道へ全力で突き進む。しかしながら、「歌がうまいだけでは歌手になれない」と自分自身と向き合った結果、断念。その後は、2歳年上の兄の影響もあり、プロのボートレーサーを全力で目指すことに。東京にいた時期もあるが、このタイミングで野母崎に戻ってきて、ここからまた少しずつ楓太くんの人生がまた動き始めたそう。

師匠との出会い、ペーロンとの出会いで気がついた野母崎人の魅力

「野母崎に帰って来て、両親やペーロンクラブの先輩や同僚、そして友人達とこれまでのこと、そしてこれからのことを語り合う中で気づいた『野母崎人の魅力』、そして師である峰さんに出会えたことで、自分の人生の第2章が始まりました。」

そう力強く話してくれた楓太くん。しかし、nomozaki_gramの誕生は「たまたま」だったらしい。

「自分自身の発信に飽きてきて、何を発信していけば楽しいかなと思ったときに、野母崎の魅力や美味しいお店を紹介するアカウントがなかったから、これを発信していけば自分も楽しいし、野母崎の魅力も伝えられるし、はじめよう!と思ったのがキッカケなんです!」とさっきの力強い表情とは真逆の屈託ない笑顔で話してくれた。

だが、この過程では葛藤も。全力で続けていけばいくほど、野母崎の魅力が伝わり、それに喜びを感じたことで、「これを仕事にできないか」と思うようになったそう。「覚悟を決めて野母崎に戻って来たのに、応援してくれるみんなを裏切ってしまうことになるかもしれない」悩みに悩んだ結果、お世話になった師匠と両親に泣きながら、ボートレーサーの夢を諦めることを伝えたという。ただ、そんな楓太くんを責める人は誰1人としておらず、むしろ背中を押してくれたことに感謝以外の言葉はないということだった。

「いろんな人に支えてもらってきたからこそ、今度は自分が野母崎のためになることを」

そんな楓太くんが発信する「nomozaki_gram」の中は、冒頭でも話をしたように野母崎ライフを楽しむ人達で溢れている。投稿の中心となっているのは「番屋」という場所だ。

「野母崎を楽しむ人達の姿を伝えることを仕事にしたいと思ったときに拠点が必要だったので、地域の人の協力も得てこの番屋を作ったんです。」という楓太くん。

そしてこう続けてくれた。

「番屋は『両親からもらった幸せの形』が詰まってるんです」

「幼いころから、家にいろんな人が来て、その人達を笑顔にし、幸せにする両親を見て育ったからこそ、自分はここで、野母崎を楽しんでもらい、それをまだ見ぬ人達に伝えたいと思った。遠回りしたけど、人生を振り返ってこれが自分の天職なんだと気づきました。」

幼い頃に楓太くんが感じた「原体験」を形にしたものが、番屋という拠点であり、そこを中心に野母崎で楽しむ人達を姿を発信するのが、楓太くんの幸せだという。

「都会には都会の良さがあるけど、野母崎には野母崎だけの良さがきっとある」

「こんな自分だけど、『自分が夢中になれる仕事』を何にもない野母崎で見つけることができたんだから、今悩んだり、迷ったりしている人でも、きっと見つけられると思う。現代を生きるために、自分自身と向き合うための『その人にとっての何か』が、何にもない野母崎にはあるんじゃないかと本気で思ってます。だから、まずは野母崎に来てみてほしいです。」楓太くんは、そう話をしてくれた。

「夢を見つけ、自分ができることを全力でやり遂げる」「自分にできないことから逃げるんじゃなくて、自分の弱さと向き合う勇気が大切」

楓太くんが纏う覇気は、情熱だけでじゃなく、自分の弱さを理解しているからこそ滲み出てくる優しさなのかもしれないと私は思った。

スペースの関係でここまでとなってしまうが、続きは野母崎に足を運んで、楓太くんや野母崎の方々と一緒に時間を過ごす中で聞いてみてほしい。そして皆さん自身で、皆さん自身の幸せを見つけてほしいと思う。

https://www.instagram.com/nomozaki_gram/

Relation Posts

関連する記事

2024.03.26
  • 遊び・体験
村上 萌

思いつきでもサクッと特別な体験ができる。街と自然が溶け合う長崎の魅力。“ I am 長崎人 ” 講師 村上萌さん(『NEXTWEEKEND』編集長 )

2024.02.29
  • 遊び・体験
ヨシフクホノカ

長崎人を夢中にさせ続けて400年!?「長崎ハタ」の魅力に迫るハタ作り体験

2024.02.22
  • 遊び・体験
森永あゆみ

インバウンド観光客に 記憶に残る長崎旅を~NAGASAKI Trek inc. 浜崎 正尚さん~

2024.02.07
  • グルメ
松久保 修平

アートに触れる旅のススメ。

2024.01.30
  • グルメ
坂井桂馬

時代は変われど、変わらない体験価値を、ちゃんぽんで繋ぐ~chanpon_eat 南 恵介さん & 江戸びし 中村 芳隆さん~

2023.12.21
  • グルメ
ヨシフクホノカ

高級なフグを市民は気軽に食べている?! 長崎でフグ料理体験&フグ出汁うどんを堪能

2023.12.14
  • 遊び・体験
高橋 俊宏

「当たり前」を見つめると、地域の魅力が見えてくる。” I am 長崎人 ” 講師 高橋俊宏さん(『Discover Japan』統括編集長 )

2023.11.24
  • グルメ
ヨシフクホノカ

長崎だけの幻の果実「ゆうこう」のふしぎを追い求めたら、酒蔵にたどり着きました。

2023.11.20
  • グルメ
小林 央幸

長崎のカレー・酒・音楽。そして、人。

2023.11.17
  • 遊び・体験
play mag 編集部

レポート” I am 長崎人 – ふつうとふしぎの架け橋に – ” 開講記念トークイベント&交流会

2023.10.31
  • 遊び・体験
坂井桂馬

両手を広げて受け止めて、力強く背中を押してくれる若者の味方~カフェと宿ROUTE | ROUTE BIKE&TOURS 岸川 信吾さん~

2023.10.25
  • グルメ
ヨシフクホノカ

江戸時代へのタイムトラベル気分を体験!あこがれの「検番さん」にも会える出島旅

2023.10.05
  • グルメ
森永あゆみ

豆、焙煎、淹れ方、すべてにこだわった一杯が味わえるカフェ

2023.10.05
  • グルメ
森永あゆみ

ここでしか食べられない フレッシュな美味しさを追求したプリン

2023.09.29
  • 遊び・体験
河原 康平

もう隠れ家とは言わせない!ウニスカと行く蛍茶屋さるく。

2023.09.21
  • 遊び・体験
坂井桂馬

攻めながら、守る。蚊焼(かやき)包丁の歴史と伝統~桑原鍛冶工房 3代目刀匠 桑原 和久さん~

2023.09.01
  • 遊び・体験
ヨシフクホノカ

マチナカで長崎色に染まる1日。こだわりのお土産選びと、長崎くんちの熱気を体感。

2023.09.01
  • 遊び・体験
坂井桂馬

この場所だからこそできることを、一緒に。~外海ツーリズム協議会・平ベーカリー 平則子さん~

2023.08.21
  • グルメ
ヨシフクホノカ

世界の景色が混じり合う長崎の外国人居留地で、そこに暮らす同世代と出会った。

2023.06.30
  • グルメ
坂井桂馬

「つくる喜び・つどう愉しみ・つむぐ心」を長崎・出島から~でじま芳扇堂 日向勇人さん・咲保さん~

2023.03.31
  • 遊び・体験
伊藤寛之

「全てがスポット」の長崎で遊ぼう

2023.02.06
  • 遊び・体験
宮﨑香蓮

「無」になれる、ものづくりの時間。
伝統を今に伝えるガラス工房でオリジナルグラスを作る。

2023.02.01
  • グルメ
長崎大学経済学部

【ちる旅ながさき】フルーツカクテルを飲むならここ!手作りスイーツも豊富!Bistrobar Avanti

2023.01.30
  • グルメ
長崎大学経済学部

【ちる旅ながさき】いつもとは一味違う大人な雰囲気でウイスキーを楽しむならここ!Bar Amber

2023.01.27
  • グルメ
長崎大学経済学部

【ちる旅ながさき】厳選したワインをはじめ、多彩なカクテルやウイスキーを楽しめる大人な空間! Il quarto Agio

2023.01.25
  • グルメ
長崎大学経済学部

【ちる旅ながさき】フルーツカクテルが売り!落ち着いた雰囲気でゆっくりできる! Bar mahana

2023.01.23
  • グルメ
長崎大学経済学部

【ちる旅ながさき】「日常の中に非日常を」味だけでなく見た目や演出でも楽しめるお店!arcana Mixology&FlairBar

2023.01.20
  • グルメ
長崎大学経済学部

【ちる旅ながさき】自家製スイーツも豊富!ステンドグラスの窓や照明で長崎らしさが感じられる空間!café&bar Goutte

2023.01.18
  • グルメ
長崎大学経済学部

【ちる旅ながさき】一人で行っても楽しめる!好みに合わせて作ってくれるのでお酒に詳しくなくても安心!BAR Granddad

2023.01.17
  • グルメ
長崎大学経済学部

【ちる旅ながさき】スタンダードカクテルを楽しみたいならここ!初心者さんでも安心!Cellar Lamplighter

2023.01.16
  • グルメ
長崎大学経済学部

【ちる旅ながさき】液体窒素?!今宵、大人の実験室へようこそ!Laboratorio di Agio

2023.01.13
  • グルメ
長崎大学経済学部

【ちる旅ながさき】入り口はどこ?本棚を押すと現れる素敵な空間!Agio Bar&Café

2023.01.12
  • グルメ
長崎大学経済学部

【ちる旅ながさき】BARに行ってみたい人必見! ちる旅ながさきで長崎のBARを巡ろう

2022.12.19
  • グルメ
羽山潤一

友達を案内したい!
アートディレクター羽山潤一の長崎のお気に入り。

2022.11.29
  • グルメ
宮﨑香蓮

行くたび寄りたい「長崎街道かもめ市場」
地元の”おいしい”がそろう駅のにぎやかゾーン

2022.10.24
  • 遊び・体験
宮﨑香蓮

【夜さんぽ】感動の美しさ!
マジックアワーから味わいたい長崎の夜景

2022.10.24
  • 遊び・体験
宮﨑香蓮

【昼さんぽ】長崎の解像度が上がる! 地元ガイドと巡るディープな路地裏

2022.09.20
  • 遊び・体験
宮﨑香蓮

市街地から50分で別世界へ。神秘の色を全身で感じる「青の洞窟」

2022.09.20
  • グルメ
宮﨑香蓮

開放感たっぷり。長崎の澄んだ空気を浴びて目覚める、海辺の朝ヨガ

2022.09.20
  • グルメ
宮﨑香蓮

レア体験!世界文化遺産の軍艦島を眺めながらフィッシング