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長崎のふつうは世間のふしぎ展
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長崎を遊びつくすためのウェブマガジン

思いつきでもサクッと特別な体験ができる。街と自然が溶け合う長崎の魅力。“ I am 長崎人 ” 講師 村上萌さん(『NEXTWEEKEND』編集長 )
2024.03.26

思いつきでもサクッと特別な体験ができる。街と自然が溶け合う長崎の魅力。“ I am 長崎人 ” 講師 村上萌さん(『NEXTWEEKEND』編集長 )

結婚を機に神戸・札幌・大阪と各地を移動し、2021年からは長崎と東京の2拠点生活を送っています。それまで縁もゆかりもなかった長崎ですが、暮らしてみると自分の地元よりも「実家感」を感じるほど、特別な街になりました。そんな長崎市の観光を盛り上げようと始まった「I am 長崎人」の取り組みで、講師を務めさせていただいています。ここでは私自身が長崎暮らしの中で感じた街の魅力について考えてみたいと思います。

出演者 & ライター

Featuring & Writer

ひとこと

お気に入りの長崎暮らし

Guest

村上 萌

ライフスタイルプロデューサー。「季節の楽しみと小さな工夫で、理想の生活を叶える」がコンセプトのライフスタイルWEBマガジン『NEXTWEEKEND』編集長。株式会社ガルテン代表。横浜市出身。

結婚を機に神戸・札幌・大阪と各地を移動し、2021年からは長崎と東京の2拠点生活を送っています。それまで縁もゆかりもなかった長崎ですが、暮らしてみると自分の地元よりも「実家感」を感じるほど、特別な街になりました。そんな長崎市の観光を盛り上げようと始まった「I am 長崎人」の取り組みで、講師を務めさせていただいています。ここでは私自身が長崎暮らしの中で感じた街の魅力について考えてみたいと思います。

長崎のまち歩きは路地裏も楽しい!
村上萌さん

旅行者が喜ぶ、長崎の「ふだんの暮らし」

長崎に住み始めてこれまでに県外の人を70人ほど案内しました。自分なりにいろんなプランを用意してきましたが、一番喜ばれたのは長崎の「ふだんの暮らし」を体験してもらうものです。
直売所やスーパーでお買い物して一緒に料理しながら食事を楽しむと、地元食材の新鮮さ・豊富さ・安さ・おいしさはもちろん、地元の人の日常が体験できます。都会の生活が当たり前の人にとって、長崎のふだんの暮らしはとても豊かで特別に映るんです。
私が初めて長崎に来たのは学生時代の修学旅行でした。歴史ある建造物の記憶は残っていても、地元の人たちの日常が見えてなかったのは、今思えばもったいなかったなと感じます。

いろんな楽しみを、思いつきで実行できる街

週末は娘と市内の喫茶店で朝ごはんを食べて、水辺の森公園で遊んでから習い事に送り出すのがルーティーンです。仕事帰りにはそのまま出島ワーフのカフェで海を見ながらお茶ができたり、車を15分くらい走らせるだけでホタルの群れに出会えたり。長崎は街と海と山の距離が近くて、どこにでもすぐ移動できるコンパクトさがすごくいいなと思っています。

たとえば東京にいたら、前もって計画しておいて何時間もかけて移動しないと実行できないようなことが、長崎なら思いつきでサクッとその日に体験できちゃう。地元の人にとっては普通かもしれないけれど、これって本当にすごいことなんです。

自然との暮らしが育む、かけがえのないもの

カメラに収めたくなる瞬間が日常にあふれてるのも、長崎のいいところですね。都会ではイベントや展示、すてきな建築物との出会いは多いけれど、誰が撮っても同じ景色になるものも多いように思います。一方、長崎ではまちなかであっても自然が溶け合っていることで、その季節・そのタイミング・その人にしか切り取れない景色や表情があるなと。
離島の五島を訪れたとき、知り合いが持参したテントサウナを川辺にセッティングしてくれたんです。そんなふうに体験も含めて、自分たちの手で作っていける自由度の高さとか、懐の深さみたいなのもすごく心地いいなと感じました。

娘が3歳のときに長崎に来て3年。この多感な時期を長崎で暮らせるのはすごくラッキーだと思います。未来の選択肢を増やしてあげたいと大阪では英語を習わせていたのですが、引っ越しを機に辞めました。その代わり長崎では自然を満喫してほしくて、そういったこども園を選んで通わせてもらっています。山で遊んだり、稲刈りをしたり、ツリーハウスを作ったり。娘の楽しそうな顔を見るたび、増やしてあげたい選択肢は本当はこれだったのかもと思います。

点数で評価される世界では、肯定感を得ようと思っても常に上がいて、終わらない競争に疲弊してしまいます。でも自然界には筆記試験のような明確な答えはなくて、何かに合わせる必要もない。その人だけの感覚や自分なりの考え方で成功体験を積んでいけます。自然体験を通して「何があっても明日をまたやり直せる」「生きていける」という自信をつけることは、彼女の長い人生の大きな宝になってくれると思います。

地元よりも「実家感」を感じる温かさ

これまで神戸・札幌・大阪・長崎と引っ越してきました。他の都市では街中に住んでいたからかもしれませんが、長崎はどの街よりも実家のような感覚がありホッとします。
今住んでいるのは郊外で、長崎生まれ・長崎育ちの人が多く住むエリア。野菜のお裾分けをもらったり、笑顔で娘に声を掛けてくれたり。街全体で娘の成長を見守ってくれているような、みんなが親戚のような感じは、まさにこれまで映画やドラマで観て憧れ続けた「故郷」です。横浜生まれの私にも、そんな特別な場所ができたことをとてもうれしく思います。

磨かれる「暮らしをカスタマイズする精神」

都会に住んでいるときは自宅から出ればすぐに飲食店があって、ウーバーイーツも頼めるから、コロナ禍でも余裕で暮らせていましたが、今の長崎の家にウーバーは届かないし、徒歩圏内にお店は1軒もありません。おかげで食料の調達が計画的になったり、スコーンの生地を作り置きして冷凍するようになったりと、生活を工夫する精神がより磨かれた感じがします。
暮らしのカスタマイズというテーマは『NEXTWEEKEND』でずっと考え続けてきたつもりだったけれど「あえて工夫してみる」のと、「本当にないから工夫するしかない」のとでは意味合いが大きく違ってきます。そういった意味で、長崎での暮らしが自分や自分の会社の姿勢を見つめ直す大切な機会になりました。

「何にもない街」から「どうしたら楽しいか」へのシフト

長崎市は人口流出が大きな課題となっています。そんな中、中学1年生の郷土学習の授業にお邪魔しています。事前アンケートで「20年後に自分は長崎にいると思うか」という質問に、ほとんどの生徒が「いない」と答えることはやはりショックです。周囲の大人たちが「長崎には何もない」と話すのを聞いている影響も大きいなと感じます。
地元には「ふしぎ」や「面白い」がたくさんあると、県外に出る前に知っておくことは、将来の長崎にとって重要なことだと思います。
生徒たちに伝えているのは、視点を変えて価値を見つけてみたり、「何もない」を不満で終わらせず「ここにどんなお店があったら楽しいか」想像してみようというような話。今回の” I am 長崎人 “の取り組みでは、それを実現するための方法まで踏み込んでシェアしていければいいなと考えています。

もっと長崎暮らしを楽しむために“ I am 長崎人 ”

長崎での日常をInstagramで投稿すると、地元の方から「それって長崎のいいところだったんですね、気づかなかった」「長崎の普通を肯定してもらえたようでうれしかった」とコメントをもらうようになりました。地元の人には当たり前でも、外の人から見れば魅力。外の目線で、長崎暮らしの驚きや発見を発信することが、地元の皆さんの力になれることを感じた瞬間でした。

“ I am 長崎人 ”の音声講座では外の目線だけでなく、長崎の魅力を発見するためのあらゆる切り口や方法・アイデアについてお話ししています。
長崎市民や長崎市に愛を持つ「長崎人」の皆さん、ぜひ一緒に聴いて考えて、まずは自分の長崎暮らしをより楽しんでみてほしいです。